目の手術

目の下のたるみ取り:ハムラ法と脱脂、片方は美しく歳を重ね、もう片方はくぼみ目をつくる

イ・ヨンウ医師イ・ヨンウ医師
2026年3月30日
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目の下のたるみ取り:ハムラ法と脱脂、片方は美しく歳を重ね、もう片方はくぼみ目をつくる

目の下のたるみ取りは脂肪を移動させるか取り除くか

目の下のたるみ取り、いわゆるクマ取りとして下眼瞼形成術を考えているなら、眼窩脂肪を再配置するのか、それとも切除するのか。この一点が、来月の目もとだけでなく、10年後、20年後の目もとまで決めます。

学術的な議論ではありません。自然に歳を重ねていく結果と、もとの悩みより老けて見えるくぼんだ目もとを分ける、臨床上の分岐点です。ところが、カウンセリングに来られる方のほとんどが、この違いを説明された経験を持っていません。「ふくらみを取ります」とだけ言われ、その脂肪がどこへ行くのか、周囲のボリュームが減っていく5年後に下まぶたの輪郭がどうなるのかは、話題にすら上がらない。

脂肪再配置が美しく歳を重ねる結果になるのは、眼窩脂肪を捨てずにそのまま使うからです。脂肪の取りすぎが術後のくぼみ目を招くのは、顔の骨組みを支えていた組織を失うからです。どちらの結果になるかは、執刀医がご自身の目もとの構造をどう評価して術式を決めるかにかかっています。

目の下のふくらみの構造:知っておきたい3つの脂肪室

下まぶたの奥にある3つの眼窩脂肪室。内側、中央、外側の脂肪体が線維性の隔壁で仕切られている図。

目の下のふくらみは、ひとかたまりの均一な組織ではありません。下まぶたの奥で前方へ張り出してくる眼窩脂肪は、解剖学的に独立した3つの区画に分かれています。鼻に近い内側脂肪体中央脂肪体、こめかみ側の外側脂肪体です。

各区画は線維性の隔壁で仕切られ、周囲の構造との関係もそれぞれ違います。たとえば内側脂肪体は、眼球運動をつかさどる下斜筋のすぐ隣にあります。中央脂肪体は3つのなかで最も大きく、前に出てきたときに最も目立つ。外側脂肪体はいちばん小さく、頬に溶け込むような控えめなふくらみをつくることが多い部分です。

そもそも「ふくらみ」として見えているものの正体は、多くの場合、脂肪が余っていることではありません。眼窩隔膜という薄い線維性の膜が緩み、正常な眼窩脂肪がそこを越えて前へ押し出されている状態です。眼窩隔膜は眼窩縁の内側に脂肪を押しとどめている壁ですが、加齢とともに薄くなり、伸びます。壁の支えが弱まれば、重力と眼窩内の圧に押されて脂肪体は前へ出る。よく眠った翌朝でも疲れて見える、あの凸型のふくらみができあがるわけです。

ふくらんだ脂肪体のすぐ下に走っているのが、ティアトラフ、つまり涙袋の下のくぼみです。目頭から眼窩縁に沿って頬へ向かう、へこんだ溝を指します。若い顔では、下まぶたから頬までがなだらかな一続きの凸面になっています。歳を重ねた顔では、上のふくらみと下のくぼみのコントラストが影を生む。鏡のなかの「疲れた顔」の正体は、ほとんどがこの影です。

脂肪切除:引き算の発想と、その長期的な代償

数十年にわたって行われてきた従来の下眼瞼形成術は、目の下のふくらみを単純なボリュームの問題として扱ってきました。理屈は明快です。脂肪が多いのだから、取ればいい。眼窩隔膜を開け、前に出ている脂肪体を確認し、切除して閉じる。直後の変化は劇的なことが多く、ふくらみは消え、下まぶたは平らに見えます。

問題は、時間が経ってから姿を現します。

手術の日に顔の老化が止まるわけではないので、脂肪切除後の年月のなかで、残った眼窩脂肪は自然に萎縮していきます。中顔面のボリュームは落ち、頬の脂肪は下がり、骨も痩せていきます。この加齢変化のひとつひとつが、脂肪を取りすぎてできたくぼみをさらに深くしていきます。行き着く先は、完全に元へ戻すことがほぼ不可能な、骨格の浮き出たくぼんだ目もとです。

これが術後のくぼみ目と呼ばれる状態で、下眼瞼形成術の文献では最も頻繁に指摘される合併症のひとつにあたります。目は落ちくぼんで暗く見え、生気を失った印象になる。本来なだらかな若々しい曲線を描くはずの下まぶたから頬への移行部が、目に見える段差として崩れます。下眼窩縁が骨として浮き出るA-frame変形が加わると、もとのふくらみよりはるかに老けた、やつれた顔になってしまう。

肝心なのはここです。生まれ持った脂肪は敵ではありません。顔の骨組みを内側から支えている組織です。取り去るという判断は、目先の悩みを消す代わりに、長期の顔の骨組みを差し出すことに等しいのです。

脂肪再配置:ひとつの組織でふくらみとクマの影を同時に解く

脂肪再配置は、下眼瞼形成術の考え方そのものを転換した術式です。前に出てきた眼窩脂肪を捨てずに、区画から解放し、眼窩縁を越えて下方へ移動させ、ティアトラフのくぼみに固定します。眼窩縁の上で凸のふくらみをつくっていた脂肪が、そのまま下の凹んだ部分を埋める材料になる。日本では、皮膚側から行うものをハムラ法、結膜側から行うものを裏ハムラ法と呼ぶ術式です。

この方法の巧みなところは、ひとつの組織でふたつの問題が同時に片づく点にあります。脂肪が移動したのでふくらみは消え、その脂肪が影の原因だったくぼみを埋めるのでティアトラフも浅くなる。下まぶたから頬への移行は、若々しい目もとの条件である、なだらかに続く凸面に戻ります。

眼窩から容積を差し引いていないので、結果は顔のほかの部分と歩調を合わせて歳を重ねます。数十年かけて周囲の組織のボリュームが落ちていくとき、マイナスからのスタートになりません。再配置した脂肪がティアトラフを支え続け、脂肪切除では実現できないなめらかな瞼頬移行部が保たれます。

手術はどう進むのか

経結膜アプローチでは、下まぶたの裏側から眼窩脂肪に到達するため、皮膚に傷は残りません。前に出た脂肪体を周囲の隔壁から丁寧に剥離しながら、下斜筋と嚢瞼筋膜(capsulopalpebral fascia)を温存します。可動化した脂肪は、下眼窩縁に沿った骨膜の付着部である弓状縁(arcus marginalis)を越えて敷き広げられ、ティアトラフの骨膜下または骨膜上の層に縫合固定されます。

求められる技術的な精度は高い。3つの脂肪室のどれがどれだけ変形に寄与しているかは人によって違い、どの脂肪をどの方向に、どこまで下げるかを術中に判断しなければなりません。移動させすぎれば眼窩縁の下が不自然にふくらみ、足りなければ影が残る。目標は、下まぶたから中顔面へ切れ目なく続くグラデーションです。

それでも脂肪切除が適切な場合

脂肪再配置がすべての症例で優れているわけではありません。控えめな脂肪切除が手術計画の一部として妥当な目もとも、たしかに存在します。

眼窩脂肪の量が本当に多い場合、とくに内側の区画に多い場合、その全量をティアトラフへ移せば眼窩縁の下が過矯正になり、ぼってりした印象になります。こうしたケースでは、内側の脂肪を計った量だけ切除し、中央と外側は再配置する、という組み立てになる。鍵は控えめにという一語です。ティアトラフが生理的に受け入れられる量を超えた分だけを、少量ずつ正確に取ります。

もともと中顔面がふっくらしていて、ティアトラフのくぼみがほとんどない方にも、組み合わせた方法が向いています。埋めるべきくぼみのないところへ大量の脂肪を移せば、不自然な膨らみになるだけです。

決定的な違いは、その術式しか持っていないから脂肪を取る医師と、長期の輪郭を優先するボリューム温存の戦略の一部として選択的に脂肪を取る医師の差にあります。臨床哲学が根本から違い、時間が経つほど結果は開いていきます。

執刀医の視点:動きのなかの美しさという原則

下眼瞼形成術は、目だけを切り取って評価できません。成否を本当に決めるのは、表情が動いたときに目もとが顔全体とどう馴染むかです。経験を積んだ美容外科医がダイナミック・エステティクスと呼ぶのはこの考え方で、再配置した脂肪は、笑ったとき、目を細めたとき、その間の細かな表情のすべてで、眼輪筋と一緒になめらかに動く輪郭をつくらなければなりません。

手術中は、安静時だけでなく、下まぶたに動的な緊張がかかった状態でも脂肪の位置を確かめます。上を見て、下を見て、横を見てもらいながら、脂肪の落ち着きどころを見ている。狙いはふくらみを消すことではなく、表情の全域で自然に見える瞼頬移行部を彫り上げることです。笑って眼輪筋が縮んだとき、まぶたから頬への移行に段差がない。専門医が持つべき基準はそこにあります。静止した顔の美しさではなく、動いている顔の美しさです。

脂肪再配置を行った下眼瞼形成術の術前と術後。なめらかな瞼頬移行部が得られている比較図。

誰も警告してくれない合併症:下眼瞼の退縮

くぼみ目のほかに、執刀医を決める前に知っておいてほしい合併症がもうひとつあります。下眼瞼の退縮、つまり下まぶたの縁が引き下げられ、虹彩の下に白目が過剰に見えてしまう状態です。どの下眼瞼形成術のあとにも起こりうるものですが、侵襲の大きい術式ほど頻度が高くなります。

退縮は、下まぶたの繊細な層構造、すなわち前葉である皮膚と筋の層、後葉である結膜と瞼板の層が、手術で傷ついたり、瘢痕化したり、短縮したりしたときに起こります。焼灼のかけすぎ、皮膚の切除しすぎ、外眼角の支持を怠ること。いずれも原因になります。結果として、虹彩の下に白い三日月が見えたり、下まぶたの輪郭が丸く引き下がったりします。重い場合には、明らかな眼瞼外反と慢性のドライアイまで進みます。

脂肪再配置を伴う経結膜アプローチは、この危険をもともと小さく抑えます。切開はまぶたの裏側に置かれ、皮膚を切除しないので、前葉はまったく手つかずのまま残る。下まぶたの構造的な支持が保たれるため、皮膚筋弁を剥離する経皮的アプローチと比べて退縮の危険は大幅に低くなります。

術前の診察で、下まぶたの緩み、水平方向の弛緩、目尻が目頭より低いネガティブ・カンサルティルトが見つかることがあります。こうした所見があれば、退縮が現実になる前に、外眼角の腱を補強する外眼角固定術(カンソペクシー)や外眼角形成術(カンソプラスティー)を併用して先手を打つべきです。

目の下のたるみ取りで執刀医をどう選ぶか

下眼瞼形成術のカウンセリングでいくつか具体的に尋ねれば、その医師の考え方と、自分の結果の見通しはほぼわかります。

まず、計画は脂肪切除か、脂肪再配置か、その組み合わせかを聞いてください。ティアトラフの話が一度も出ずに脂肪切除だけという答えなら、別の医師の意見も聞いたほうがいい。長期の症例写真を見せてもらうことも頼んでください。術後1週間の写真ではなく、1年後、3年後、5年後の写真です。脂肪切除は短期の見た目が優秀なことがありますが、長期はそうとは限りません。

アプローチも確認します。皮膚に切開を置かない経結膜法が、皮膚のたるみが少ない方にとっての標準です。外眼角の支持を術前に評価するかどうかも聞いてください。下まぶたの緩み、スナップバックテスト、ディストラクションテストまできちんと診ている医師は、脂肪だけでなくまぶたの構造そのものを考えています。

解剖学的な精度と控えめな手技を標準とする韓国の美容外科では、下眼瞼形成術はすでにボリュームを温存する手術へ置き換わっています。顔から引き算するのではなく、もともとあるものを調和のとれた位置に置き直す。それが狙いです。

同じ考え方がほかの悩みにどう当てはまるかを知りたい方へ。ティアトラフのヒアルロン酸と下眼瞼形成術の比較では、一時的な処置が構造的な矯正に届かない理由を説明しています。上まぶたの手術を検討中なら、二重整形の修正と「ハム目」になる原因が、目もとの手術で精度が結果を決める仕組みを別の角度から示しています。

執筆:イ・ヨンウ医師、韓国VIP美容外科の形成外科専門医。顔面解剖と美容外科手術を専門とする。

目の下のたるみ取りと脂肪再配置についてよくある質問

下眼瞼形成術の脂肪再配置とは?

目の下のふくらみをつくっている眼窩脂肪を切除せず、いったん解放して可動化し、下眼窩縁を越えてティアトラフのくぼみへ移す術式です。目に見えるふくらみが消えると同時にその下の溝が埋まり、下まぶたから頬までがなめらかにつながります。容積を差し引かないので顔の骨組みが保たれ、脂肪切除だけに頼る方法より自然に歳を重ねていきます。

術後にくぼみ目になるのはなぜ?

手術で眼窩脂肪を取りすぎたことが原因です。術直後は下まぶたが平らになり、若返って見えることもあります。ところが顔の老化は続き、周囲の組織のボリュームが自然に落ちていくため、脂肪を失った眼窩部はどんどん落ちくぼんでいきます。下眼窩縁が骨として浮き出て深い影ができ、やつれた印象になる。3つの脂肪室すべてを、長期のボリューム減少を考えずに大きく切除したときに最も起こりやすい合併症です。

目の下のふくらみには、脂肪切除より脂肪再配置のほうがいいですか?

多くの方にとって、長期の結果は脂肪再配置のほうが優れています。ひとつの組織でふくらみとティアトラフの両方を治し、もともとの眼窩容積を残し、顔のほかの部分と一緒に歳を重ねる輪郭をつくるからです。脂肪の総量がティアトラフの受け入れられる範囲を本当に超えている場合には脂肪切除が適切なこともありますが、その場合でも経験を積んだ医師の多くは、控えめな切除と再配置を組み合わせます。切除だけに頼ることはまずありません。

脂肪再配置で傷は残りますか?

経結膜アプローチで行えば、皮膚に見える傷は残りません。切開は下まぶたの裏側、結膜を通して置かれ、外からは手術の跡がわからない状態で治ります。下まぶたの皮膚のたるみが目立たない方には、この方法が第一選択です。皮膚が余っていて引き締めが必要な場合は、まつ毛のすぐ下で皮膚をつまむように最小限だけ切除する方法を追加できます。傷は自然なしわに紛れて、ほとんど見分けがつきません。

脂肪再配置の下眼瞼形成術は、回復にどれくらいかかりますか?

内出血とむくみが目立つのは術後7〜10日ほど。仕事や人と会う予定には、おおむね1〜2週間で戻れます。下まぶたの輪郭はその後2〜3か月かけて整い、残ったむくみが引くにつれて、移動した脂肪が最終的な位置へ落ち着いていきます。術後の出血やむくみを避けるため、激しい運動と重いものを持つ動作は3〜4週間ほど控えてください。手術の範囲に応じた具体的な経過は、執刀医から個別に説明があります。

以前の手術でくぼんだ目は治せますか?

治せます。ただし、脂肪を切除したあとのくぼみ目の修正は、最初の手術より複雑です。最も一般的なのは自家脂肪注入によるボリュームの回復で、体の別の部位から採取した脂肪を、くぼんだティアトラフと眼窩縁の領域へ慎重に注入します。ヒアルロン酸で一時的に改善させる方法もありますが、構造的に立て直すなら脂肪注入のほうが長持ちします。前回の手術による瘢痕が組織の層を変えていて脂肪の生着が読みにくいため、修正手術には緻密な技術が欠かせません。

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この記事は情報提供を目的としたもので、医学的な診断や助言に代わるものではありません。手術および施術の判断は、必ず資格のある医師にご相談のうえ行ってください。

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