フェイスリフトの後に顔が引きつって見えるのはなぜか
引っ張られた顔が引っ張られて見えるのは、執刀医の趣味が変わっていたからではありません。皮膚に顔を支えさせたからです。皮膚はそういう働きをするようにはできていません。「失敗したフェイスリフト」として人が認識する特徴は、すべてこのひとつの間違いが、違う場所に出たものです。
先に答えを書きます。多くの方が思っているより希望のある答えです。ウィンドブロウン(風に吹き流されたように引きつった顔)の特徴はほぼすべて張力の問題であり、張力は解放できます。取り消せないのは、切除された組織と、動かされた生え際です。だから正直な線引きはこうなります。方向と張力は修正できます。失われたものは戻りません。
それぞれの変形を作っている力学。自然に落ち着くものと、永久に残るもの。修正手術が現実的に届く範囲。そして、修正の時期が術式より重要になる理由。順に扱います。
本当の問いは「誰が執刀したか」ではなく「張力がどこへ行ったか」
患者さんは、執刀医選びに失敗したと確信して来院されます。そういう場合もあります。ただ、より多いのは、手術がある特定の論理に従って行われ、その論理が顔の上に現れている、というケースです。
顔の軟部組織は支持靭帯によって頭蓋骨に固定されています。この靭帯を解放しなければ深層の組織は動かず、顔の形を変える手段は皮膚を引っ張ることしか残りません。それでもフェイスラインは改善するという意味では機能します。ただ、行き場のない張力を皮膚の1ミリ単位すべてに背負わせることにもなるのです。しかも張力は移動します。頬を平坦にし、口角を引き下げ、耳たぶを伸ばし、傷跡を広げます。
ウィンドブロウンな顔には、その張力がどこへ行き着いたのかが残っています。だから顔をたどれば何をされたのかが分かりますし、修正が見た目ほど当てずっぽうにならずに済みます。
それぞれの変形の正体
ラテラルスイープ、あるいはウィンドブロウンな見た目
皮膚を上ではなく横に引くと、耳のほうへ流されたような顔になります。ラテラルスイープは、上方への支えとなるベクトルなしに組織を横方向へ強く引いたときに生じ、最も関連が深い術式は皮膚のみのリフトです。
この見た目を作るものはふたつあります。ひとつは方向の誤りです。顔は加齢とともに垂直に下がるので、水平に引いてもその道筋は逆行しません。もうひとつは必要になる張力の大きさです。皮膚を、本来そうではない構造材として使っているからです。顔の重さを皮膚に支えさせるには、顔の構造そのものが平坦化するほどの張力が要ります。あの引きつった、風にさらされ続けたような質感は、まさにそこから出ます。

ピクシーイヤー
耳たぶが下方かつ前方へ伸び、頬に融合して、耳の下にぶら下がる自由な部分がなくなった状態です。フェイスリフトを受けたことを示す最も分かりやすい特徴で、原因はひとつです。
耳たぶは、耳のなかで唯一、内部に軟骨のない部分です。耳の他の部分には変形に抵抗する骨組みがあります。耳たぶにあるのは皮膚と脂肪だけです。皮弁を緊張下で閉じると、その張力は唯一抵抗できない構造にかかり、治癒の数か月をかけて耳たぶは頬のほうへ下がっていきます。この変形を扱った論文も、まったく同じ機序を記述しています。閉創の張力は、支えのない耳たぶへとそのまま伝わります。
平坦になった頬
引き締まっているのに老けて見える顔があります。理由がこれです。横方向に引けば、頬のボリュームは耳のほうへ後退します。若い顔がボリュームを置いている場所、つまり頬骨の上の高い位置から遠ざかるわけです。結果として、引き締まっているのに平坦な顔になり、ボリュームが置き去りにされた耳の前だけが妙に膨らみます。
表情の動きが制限される
麻痺ではありませんし、たいていは神経損傷でもありません。皮膚に恒常的な張力がかかっていると、その下の筋肉は張力に逆らって顔を動かすことになります。笑顔が力んで見え、無表情のときは仮面をつけたように見え、目と口の動きが噛み合わないことを、見る側は言葉にできないまま「作り物っぽい」と感じ取ります。
幅の広がった傷跡と、ずれた生え際
緊張下で閉じた皮膚は何か月も切開線を引っ張り続け、張力のもとで治る傷跡は幅が広がります。閉創のときに側頭部の生え際を前進させたり切除したりしていれば、もみあげが高い位置に来る、あるいは消えることがあります。部屋の反対側からでも手術と分かってしまう、数少ない所見のひとつです。傷跡の質についてはフェイスリフトの傷跡と治り方で詳しく扱っています。
一覧で比較
| 変形 | 原因 | 修正手術で治せるか |
|---|---|---|
| ラテラルスイープ | 横方向のベクトル、張力下の皮膚 | 治せる。解放と垂直方向のベクトルで |
| ピクシーイヤー | 軟骨のない耳たぶにかかった閉創時の張力 | 治せる。確実性も高い |
| 平坦になった頬 | ボリュームが上ではなく後ろへ引かれた | たいてい治せる。再配置と脂肪注入で |
| 表情の制限 | 恒常的な皮膚の張力 | たいてい治る。張力を解放すれば |
| 幅の広がった傷跡 | 緊張下での閉創 | 切除で改善する。消えはしない |
| もみあげの上昇・消失 | 毛髪のある皮膚を切除した | 部分的で、難しい |
| 取りすぎた脂肪 | 組織そのものを切除した | 治らない。脂肪注入で補うのみ |
手術済みの顔を開けたときに見つかるもの
層が消えている
修正フェイスリフトは初回手術よりはるかに難しく、その理由は前回の手術が残していったものにあります。
過去に手術された顔を剥離するとき、私は癒着と瘢痕組織のなかを進むことになります。きれいに分かれるはずの層が互いに融合し、境界はぼやけたまま。初回手術ならこの層が剥離を導いてくれます。修正では自分で探さなければならず、そもそも存在しないこともあります。
そうなると、患者さんに直接響くことが3つ出てきます。剥離が難しく時間がかかること。組織を引き上げるのが難しいこと。瘢痕化した組織は、手つかずの組織とは違う抵抗の仕方をするからです。そして出血が多いこと。私の経験では初回手術より明らかに多く、だからこの種の手術では例外なくヘモスタティックネットを置いています。詳しくはフェイスリフト後の血腫を防ぐの記事に書きました。
修正の結果が初回より読みにくいのは、まさにここにあります。執刀医の注意が足りないからではなく、組織が別の材料だからです。
修正は「もっと強く引くこと」ではなく「解放」である理由
悪い結果を見たときの直感は、もう一度リフトして直そう、というものです。その直感がふたつ目の悪い結果を作ります。
ウィンドブロウンな顔は、すでに張力を抱えすぎています。そこへ足せば、抱えている問題はすべて悪化します。修正が進む方向は逆です。一度も解放されていない組織を解放し、ベクトルを横方向から垂直方向へ向け直し、皮膚から荷重を完全に降ろす。文献も同じ言い方をしています。修正とは繋ぎ止めを解放して張力を再配分することであって、より強く引くことではない、と。
実際の手順としては、深く剥離し、初回手術が残した支持靭帯を切離し、深層組織にリフトを担わせます。この仕組みはディーププレーン・フェイスリフトが実際に解放するもので説明したものと同じです。修正で違うのは、瘢痕組織がそのすべての段階を難しくする点だけです。
ピクシーイヤーをどう治すか
ピクシーイヤーは、この一群のなかで最も確実に治せる変形です。修復の考え方は原因からそのまま導かれます。
私はまず耳たぶを、前下方へ引きずっている組織から完全に解放します。多くは、頬のなかにできた瘢痕から剥がす作業になります。そのうえで私が固定するのは、耳たぶの下の組織と、乳様突起の上の深層組織。ここをバイクリル糸で縫い留めます。耳たぶを皮膚で吊るのではなく、下から硬い土台で支える形にするためです。この変形に対して報告されている術式も同じ原則を使っており、耳垂再配置皮弁と乳様突起部への吊り上げ縫合を組み合わせています。
同時に、閉創が許す範囲で古い傷跡をできる限り切除します。理由はふたつです。その傷跡はたいてい耳たぶを変形させたのと同じ張力で幅が広がっているので、残せば人がまだ気づく部分だけが修復を生き延びてしまいます。そしてここで切除した傷跡は無緊張で閉じられます。細い線として治るのは、その条件のときだけです。
修復全体を貫く原則はひとつです。耳たぶは深層組織で支えるものであって、皮膚で支えるものではありません。皮膚で支えた耳たぶはまた移動し、患者さんはひとつの結果のために二度手術を受けたことになります。

時期、そして私が待ってもらう理由
私は早期に顔を修正しません。前回手術から最低6か月は空けてもらいますし、もっと待ったほうがいい症例もあります。日本から相談に来られる方にも、渡航の予定を立てる前提としてこの6か月をお伝えしています。
この期間は、慎重さのための慎重さではありません。待っているあいだに、3つのことが起きています。ひとつは腫れが引くこと。腫れは変形に似た見え方をするので、3か月の顔は8か月の顔とは違います。ふたつめは瘢痕組織が成熟して柔らかくなること。そのぶん剥離は安全になり、層も見つけやすくなります。3つめは皮膚がいくらか緩みを取り戻すこと。これが効いてくるのは、修正には余っている皮膚が要るからです。張力を抱えたままの顔には、差し出せる余りがありません。
報告されている指針も同じ範囲にあります。腫れが落ち着き傷跡が成熟するまで6か月から12か月を推奨し、傷跡が完全に成熟するには12か月から24か月かかるとしています。術後早期は顔を判定するのに最も当てにならない時期であり、手術するのに最も悪い時期です。
例外がひとつあります。落ち着くどころか悪化している変形、あるいは自然には解決しない原因による変形は、暦ではなくその変形自身の時間軸で判断します。
引きつって見える顔は、どの段階にあるか
不満のある顔がすべて手術を必要とするわけではありません。自分がどの分類に入るのかを知ることで、次に何をするかが変わります。

1. 術後6か月未満で不安になっている
待ってください。これがいちばん多い状況で、患者さんが最悪の判断をしやすい場面でもあります。術後早期の突っ張り感は正常ですし、腫れは輪郭を歪めますし、3か月の顔は、最終的に落ち着く顔ではありません。フェイスリフトを早期に判定するのは腫れを判定することであり、早期に手術するのは違う顔を手術することです。
2. 1年以上経ってもなお、顔が引きつって後ろへ流れている
これは本当のラテラルスイープで、治せます。修正は強く引き直すことではなく、垂直方向のベクトルを伴う解放です。手術は初回より難しく、回復は同程度、そして結果は初回より読みにくいと隠さず伝える執刀医を選んでください。
3. 耳たぶが頬に引き込まれている
ピクシーイヤーです。ここは良い知らせの分類です。確実に治せますし、全面的な修正より小さな手術で済むことも多く、耳たぶを皮膚ではなく深層組織に固定すれば修復は長持ちします。
4. 顔は引き締まっているのに、こけて平坦に見える
張力がボリュームを後ろへ持って行き、加えて脂肪が取られている可能性もあります。解放と再配置で戻せるのは、移動させられたぶんだけ。切除されたぶんは補うしかなく、通常は自分の体から採った脂肪を注入します。そのうち何割が生着するかは本当に問題になる点で、注入した脂肪はどれだけ残るのかで扱いました。
5. 傷跡が広い、あるいはもみあげが消えている
張力で広がった傷跡は、切除して無緊張で閉じれば改善します。ただし消えることはありません。生え際の喪失はこの一群で最も難しい問題です。切除された毛髪のある皮膚は呼び戻せず、修正は良くて部分的です。
6. 顔に問題はないが、そもそも自分の見た目に満足したことがない
はっきり言っておく価値があります。技術的には良い結果でも、その人に似合っていない顔はあります。期待と実際の構造のずれは、どんな修正手術でも埋まりません。次の手術の後ではなく、前に話し合うべきことです。
修正手術後の回復
経過は初回のフェイスリフトに似ますが、計画に織り込むべき違いがふたつあります。
腫れと内出血のピークは術後3日から5日です。人前に出られる程度になるのが2週間前後、社会生活で気にならなくなるのが4週から6週。組織は3か月から6か月かけて落ち着き、顔は1年近くまで洗練されていきます。
違いはふたつです。腫れが強く出やすいこと。瘢痕のなかを剥離しており、組織の許容が狭いためです。そして最終結果が姿を現すまでに時間がかかること。瘢痕化した組織は手つかずの組織より落ち着き方が読みにくいからです。3か月で判定される修正手術は、修正手術の基準で見ても早すぎます。
執刀医の視点:解決策は、まず「もっと強いリフト」ではありません
もう一度リフトしてほしい、と言って来られる方がいます。気持ちは分かります。顔は引っ張られて見えるので、やり方が足りなかったように見えるのであって、やりすぎたようには見えないからです。
でも、ウィンドブロウンな顔は矯正不足の顔ではありません。背負うようにできていない張力を、加齢の方向とは違う向きで背負わされている顔です。同じやり方でもう一度リフトすれば、問題はひとつ残らず悪化します。頬はさらに平坦になり、耳たぶはさらに歪み、傷跡はさらに広がり、表情はさらに固まります。修正とは荷重を降ろし、本来あるべき深層組織へ移し替え、皮膚を休ませることです。
こういう患者さんにもうひとつ必ず伝えるのは、修正手術は初回より難しく、結果も読みにくいという点です。あとで気づいてもらうより、診察の場で言っておきたいのです。瘢痕化した組織は正常な組織のようには振る舞いません。修正を初回と同じくらい簡単だと言う人は、まだ開けていない顔の話をしています。
安全性と、正直な限界
修正フェイスリフトのリスクは初回手術と同じですが、瘢痕によってふたつが高くなります。
出血と血腫のリスクが高くなります。血腫はフェイスリフトで再手術を要する最も多い合併症で、初回症例でおよそ1.8〜2パーセントとされています。瘢痕組織はより多く出血し、剥離時間も長くなります。術野を乾いた状態に保つ明確な戦略が、初回手術以上に効いてくる理由です。顔面神経のリスクも高くなります。初回フェイスリフトでの損傷率はおよそ0.3〜2.6パーセントと報告され、その大半は回復する一過性の神経麻痺ですが、修正手術ではリスクが上がるとはっきり記載されています。前回の手術が、神経を見つける手がかりになる目印を歪めてしまうからです。修正を日常的に扱っている執刀医を選ぶことは、好みの問題ではありません。修正手術を受ける方ができる、最も有効なひとつの行動です。
手術では治らないものもあります。これを言わない術者は、手術ではなく商品を売っています。切除された脂肪は元に戻せません。注入で補うだけです。切除された毛髪のある皮膚は戻りません。傷跡は改善するだけで、消えません。そして知っておく価値のある力学的な限界があります。二度目のリフトでは余っている皮膚がほとんどないため、前回の切開線からおよそ1センチ以上離れた傷跡は、そもそも切除できないことがあります。前回の手術で神経が永久的に損傷していれば、修正手術でも修復はできません。
「何をするか」の前に「何が起きたのか」を聞いてください
引っ張られた顔は謎ではありませんし、永久の宣告でもありません。読み取れる原因を持った力学的な問題であり、その原因が何を修正できるかを教えてくれます。
見た目が張力と方向から来ているなら治せます。どちらも取り消せるからです。一度も解放されていないものを解放し、リフトの向きを横から上へ変え、皮膚から荷重を降ろす。切除されたものから来ているなら、脂肪であれ毛髪のある皮膚であれ、修正は部分的で、その事実を隠さず話すことも治療の一部です。
術後まだ数か月の段階なら、いちばん役に立つ行動は何もしないことです。腫れは変形に似た見え方をしますし、組織はまだ動いており、いま見ている顔は、最終的に落ち着く顔ではありません。
判断を決める問いはひとつです。私の顔は張力を抱えているのか、それとも組織が足りないのか。診察の場では、この一文をそのまま聞いてください。力学の言葉でまっすぐ答えが返ってくるかどうかで、その執刀医が顔を読めているかどうかが分かります。
執筆:イ・ヨンウ医師、韓国VIP美容外科の形成外科専門医。顔面解剖と美容外科手術を専門とする。
ウィンドブロウンな見た目と修正フェイスリフトについてよくある質問
フェイスリフト後に引っ張られたような顔になるのはなぜ?
張力と方向です。支持靭帯を解放しないと深層の組織は動かず、皮膚がリフトを担うほかありません。皮膚は構造材ではなく、それで顔を支えるには顔の構造が平坦化するほどの張力が必要になります。上ではなく横に引けばさらに悪化します。顔は加齢とともに垂直に下がるので、水平方向の牽引ではその道筋を逆行できないからです。
ウィンドブロウンなフェイスリフトは治せますか?
多くの場合は治せます。張力は解放できるからです。修正は強く引き直すことではなく、その逆です。初回手術が残した靭帯を解放し、ベクトルを横方向から垂直方向へ向け直し、荷重を皮膚から深層組織へ移します。取り消せないのは切除された組織、つまり取られた脂肪と切除された毛髪のある皮膚です。
ピクシーイヤーとは何で、なぜ起きますか?
耳たぶが下前方へ引っ張られて頬に融合し、耳の下にぶら下がる自由な部分がなくなった状態です。耳たぶは耳のなかで唯一、軟骨に支えられていない部分なので、張力に抵抗できない唯一の構造です。皮弁が緊張下で閉じられると、治癒の数か月をかけて耳たぶが下がっていきます。
ピクシーイヤーは修正できますか?
できます。この一群のなかで最も確実に治せる変形です。修復の出発点は、耳たぶを前へ引いている瘢痕組織からの解放。そこから耳たぶの下の組織を乳様突起の上の深層組織に固定し、皮膚で支えるのではなく下から支える形にします。古い傷跡も同時に切除します。皮膚で支えた耳たぶはまた移動するので、深層への固定がものを言うのです。
修正フェイスリフトはどのくらい待つべき?
最低6か月、場合によってはもっと長くです。3つのことが起きる必要があります。腫れが引くこと。腫れは変形に似た見え方をするからです。瘢痕組織が成熟して柔らかくなること。剥離が安全になるからです。そして皮膚がいくらか緩みを取り戻すこと。修正には余った皮膚が要るからです。報告されている指針は6か月から12か月の範囲にあり、傷跡が完全に成熟するには1年から2年かかります。
修正フェイスリフトは初回の手術より難しいですか?
かなり難しくなります。前回の手術は癒着と瘢痕組織を残し、きれいに分かれるはずの層が融合して境界はぼやけたまま。剥離は遅く、瘢痕が動きに抵抗するため組織を移動させるのも難しく、出血も多くなります。修正の結果が読みにくいのもこのためです。初回以上に、修正を日常的に扱っている執刀医を選ぶことがものを言います。
顔が引き締まっているのに、平坦でこけて見えるのはなぜ?
横方向の牽引が、頬のボリュームを上へ持ち上げるのではなく耳のほうへ後退させたからです。若い顔は頬骨の上の高い位置にボリュームを持っているので、それを耳のほうへ引きずれば、引き締まっているのに平坦な顔になり、耳の前だけが妙に膨らむこともあります。加えて脂肪も切除されていれば、移動に加えて本当のボリューム不足が重なります。
表情は元に戻りますか?
原因が神経損傷ではなく張力だったなら、たいていは戻ります。恒常的な張力下の皮膚は、その下の筋肉に逆らって働くことを強います。表情が力んで見え、無表情のときに顔が固まって見えるのはそのためです。張力を解放すれば動きは戻ります。神経損傷は別の問題ですが、その大半は一過性で、大多数は手術なしで回復します。永久的な損傷はまれで、そこまで来ると修正手術でも戻せません。
フェイスリフトの傷跡は治せますか?
改善はできますが、消すことはできません。張力下で治って幅が広がった傷跡は、切除して無緊張で閉じ直せば、たいてい目に見えて良い線になります。限界は、瘢痕が永久的な組織であること、そして修正のたびに新しい瘢痕ができることです。細くて位置の良い傷跡は、触らないほうがいいことも多いです。
消えた、あるいは上がってしまったもみあげは治せますか?
部分的にしか治せません。この一群で最も難しい問題です。初回の閉創で毛髪のある皮膚が切除されていれば、その毛は失われており、位置を動かしても作り直せません。修正は残っている部分から借りてくる形になり、現実的な期待値は回復ではなく改善です。
ディーププレーン・フェイスリフトならウィンドブロウンになりにくい?
なりにくいです。理由は宣伝ではなく力学です。靭帯が解放されて深層組織がリフトを担うため皮膚に張力がかからず、ウィンドブロウンな見た目の特徴はほぼすべて皮膚の張力から生まれています。同じ理由でピクシーイヤーのリスクも下がります。閉創が荷重と戦っていないからです。
フェイスリフトが失敗したかどうか、いつ判断できますか?
6か月より前は無理で、できれば1年です。術後早期の突っ張り感は正常で想定内ですし、腫れは変形に似た形で輪郭を歪めますし、組織は3か月から6か月かけて落ち着き、1年近くまで洗練が続きます。この分野でいちばん多い間違いは、3か月の患者さんがこの結果は永久だと結論づけることです。
修正手術で脂肪注入は必要になりますか?
ボリュームが移動したり取られたりしていれば、多くの場合必要です。解放と再配置で位置がずれたボリュームは戻りますが、切除されたぶんは補うしかなく、現実的なやり方は同じ手術中に自分の体から採った脂肪を注入することです。どれだけ生着するかは決まった数字ではなく、本当に人によって差が出るところです。
修正手術の診察で何を聞けばいいですか?
何が起きたと思うかを、力学的な言葉で具体的に聞いてください。どのベクトルが使われたか、靭帯は解放されたか、張力はどこへ行き着いたかを説明できる執刀医は、顔を読んでいます。そのうえで、何が治せないかを聞いてください。その答えのほうが、治せることの答えより執刀医について多くを教えてくれます。
この記事は情報提供を目的としたもので、医学的な診断や助言に代わるものではありません。手術および施術の判断は、必ず資格のある医師にご相談のうえ行ってください。
