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ヒアル顔:ヒアルロン酸を入れすぎた顔は、溶かすべきか引き上げるべきか

イ・ヨンウ医師イ・ヨンウ医師
2026年7月15日
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ヒアル顔:ヒアルロン酸を入れすぎた顔は、溶かすべきか引き上げるべきか

ヒアルロン酸を入れすぎた顔は溶かせば元に戻るのか

鏡を見て、自分の顔が重たく、横に広く、どこか自分のものではなくなったと感じた人は、たいていふたつのうちどちらかの結論にたどり着きます。ヒアルロン酸が抜けたからもっと入れよう。あるいは、ヒアルロン酸のせいで顔が崩れたから、溶かせば元の顔が返ってくる。どちらも間違いで、しかも同じ理由で間違っています。ヒアルロン酸は一時的で可逆的だ、という前提です。ところが実際には、そのどちらでもありません。

短い答えを先に書きます。心地よい答えではありません。入れたヒアルロン酸は、おそらくまだそこにあります。何年も前のものも含めて。溶かしても以前の顔は戻りません。溶解が取り除くのは、今の顔がどう見えているかを隠していた詰め物だからです。その下の顔が下垂しているなら、どれだけフィラーを入れても、どれだけ溶かしても引き上がりません。それができるのは手術だけです。

フィラーが大量に入った顔に対する正直な答えは、たいてい「溶かすか、リフトか」ではありません。「フィラーを溶かし、それからリフトする」、この順番です。順序は好みの問題ではありません。そこがすべてです。決め手になるのは4つです。顔に今どれだけの量が残っているか、フィラー過剰の顔でどんな力学が働いているか。溶かす時期と手術の時期をどこで分けるか、そして順序を逆にしたときに何が起こるか。

問うべきは「溶かすかリフトか」ではなく、そのヒアルロン酸が何をしていたか

フィラーはボリュームを足します。それがフィラーのすることのすべてです。引き上げませんし、締めませんし、外れたものを付け直しもしません。何年も注入され続けた顔では、フィラーが本来想定されていない仕事を任されている例が少なくありません。下がってきた組織を埋め合わせる、という仕事です。

その埋め合わせはしばらくのあいだ機能します。ただ、効き方が特殊で、人を誤解させます。下垂はくぼみと影をつくり、フィラーはくぼみと影を消し、写真の中の顔はよくなる。ところが、変わっていないのは下垂です。下では組織が滑り続け、対応としてフィラーが足され、顔は一度も引き上がらないまま重くなっていきます。

ですから、溶かすかどうかを考える前に、そのフィラーが何を覆っていたのかを問いましょう。覆っていたのが本物のボリューム不足なら、フィラーは正しい道具で、単に量が多すぎただけかもしれません。覆っていたのが下垂なら、フィラーは最初から間違った道具であり、溶かしても問題は解決しません。問題が見えるようになるだけです。

入れたヒアルロン酸が消えていない理由

ヒアルロン酸フィラーは6〜12か月持続するものとして売られています。ところが、画像所見はそう言っていません。このふたつのずれこそ、フィラー過剰の顔を理解するうえで最も大きな一点です。

中顔面のMRI研究をまとめたレビューでは、撮影されたすべての患者でヒアルロン酸がまだ存在していました。2年間の観察のうちに完全消失した例はありません。一部の患者では、注入から8年から15年経っても検出されました。痕跡ではありません。検出できる体積としてです。臨床側からも同じことを示す症例報告があり、みんなが消えたと思い込んでいた何年もあとに、フィラーが組織の中で生きた存在としてふるまっていた例が記録されています。

薄れるのは見た目の効果であって、物質ではありません。フィラーは組織に馴染み、広がり、押しつぶされ、置いた場所からずれていきます。くっきりした輪郭を保てなくなるので、顔はフィラーが消えたように見える。消えていないフィラーの上に、もう1本が入る。これを年に2回、6年続ければ、計算の対象は「フィラーがどれだけ持つか」ではなくなります。「今、顔の中にどれだけのフィラーがあるか」になります。

ヒアルロン酸フィラーについて、宣伝される6〜12か月という持続期間と、最長15年間検出され続けるというMRIの証拠を比較したタイムライン。消えていないフィラーの上に施術が繰り返し積み重なっていく様子を示す。

私が診るフィラー過剰の顔のほぼすべての背後にあるのは、どれか1回の下手な注射ではなく、蓄積です。誰も過剰にしようと決めたわけではありません。1回ごとの施術はそれぞれ妥当でした。妥当でなかったのは、そのすべてに共通していた前提、つまり前回からいったん白紙に戻っているという思い込みのほうです。

顔はどうやってヒアルロン酸過剰になるのか

フィラー過剰の顔は、単にミリリットル数が多い顔ではありません。顔面フィラー過剰症候群に関する臨床レビューは、3つの機序が同時に働いていると述べています。自分の顔でどれが優勢なのかを見分けられれば、打つ手も変わります。

ひとつ目は容量のミスマッチ。ある区画(コンパートメント)が抱えきれない量のフィラーが入り、意図した輪郭をつくれない。膨らみ、隣の区画へ広がり、区画同士の境界をぼやけさせます。頬は前に出るかわりに外へ平たく広がり、メリハリが消える。患者さんがこれを最初に、いちばんはっきり自覚するのは唇です。唇ではその広がりに名前がついていて、誰もが知っている形になるからです。フィラーの移動とそれがつくるアヒル口がそれにあたります。

ふたつ目は生体力学的なもの。表情筋の中や下に置かれたフィラーは筋の動き方を制限し、皮膚の下に置かれたフィラーは皮膚の袋を引き伸ばします。安静時は許容範囲なのに、笑った瞬間におかしくなる顔ができあがる。多くの患者さんが最初に気づきながら、言葉にできずにいるサインがこれです。解剖学的には、フィラーが届けられた場所と、その区画が本来抱えられるものとのミスマッチということになります。

3つ目は単純に蓄積で、話は先ほどの画像所見に戻ります。過去の施術1回1回の積荷が、今も上乗せされ続けています。

そうなると、もうひとつ別の変化が起きてきます。手術に進むかどうかを決めるのは、実はこの4つ目です。フィラーは空間を占め、皮膚はその中身の上に掛かっています。フィラーを取り去れば、その皮膚は突然余ります。覆っていた体積が消えるからです。若く弾力のある顔なら、その多くは縮んで戻ります。フィラーの下で10年間老化してきた顔では戻りません。そこに残るのは、実はずっと余っていた皮膚です。

3つの選択肢と、それぞれが実際にすること

患者さんは製品を選んでいるつもりで来られます。そうではありません。選んでいるのは根本的に異なる3つの介入で、下垂に届くのはそのうちひとつだけです。

フィラーを足す

フィラー過剰の患者さんの多くが提案されるのがこれで、本当にしぼんでいて皮膚が締まっている顔になら、妥当な答えです。逆に、重く、輪郭がぼやけ、すでに何年分もの製剤を抱えている顔では、これが最悪の選択肢になります。すでに抱えているものを支えきれていない構造に、重さを足すことで下垂の見た目だけを扱っているからです。

溶かすだけ

ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸を分解します。実際に効きます。しないのは、元に戻すことです。溶解はフィラーの下にあった顔を露出させ、患者さんはしばしばそれに衝撃を受けます。記憶している顔より年をとっていて、緩んでいるからです。これは酵素による損傷ではありません。フィラーが隠していた時間の経過です。

下の顔がまだしっかり支えられているなら、溶かすだけで正しく、かつ完結した答えになります。支えられていないなら、半分の答えにしかなりません。

溶かしてから引き上げる

フェイスリフトは、下がった組織を元の位置に戻し、余った皮膚を切除します。フィラーが大量に入り、大きく下垂した顔で実際の問題に届くのは、3つのうちこれだけです。溶かす前ではなく後に行うのは、日程上の都合ではありません。理由は下の術式のセクションで説明します。

一覧

フィラーを足す溶かすだけ溶かしてからリフト
何を治すかボリューム不足過剰なフィラー下垂と余った皮膚
下垂への効果なし。むしろ重さが増えるなし修正される
向いている人しぼんだ顔、締まった皮膚フィラー過剰、支持は良好フィラー過剰でたるみもある
施術後の見た目ふくらむ。多くは重くなる思っていたより老けて見える引き上がり、軽くなる
元に戻せるか聞かされていたほどには戻せないまた入れる以外にない永続的、それが利点
施術後のボリューム過剰しばしば不足自分の脂肪で回復

ヒアルロン酸の入った顔を開けたとき、実際に見えるもの

フィラーは溶かされるのを待ってはくれず、術野の層の中に残っています

繰り返し注入された顔をリフトすると、私は剥離の途中でフィラーそのものに出会います。過半数の症例でそうなります。フィラーの記憶ではなく、物質として組織の中にあります。

その周りの組織は線維化しています。この線維化が本当の問題で、患者さんに直接関わる形で手術を3つ変えます。まず剥離が明らかに難しくなる。きれいに分かれるはずの層が癒着し、私が見慣れているはずの層の見え方をしていないからです。次に組織を傷つけるリスクが上がる。層が不明瞭になれば、許容される誤差が縮むからです。そして出血が増える。出血が増えれば血腫の確率が上がります。血腫はフェイスリフトで最も多い重篤な合併症で、ヘモスタティックネット(止血縫合)による予防について別に書いています。

これは私の印象だけの話ではありません。顔全体に繰り返しフィラーを入れた既往のある患者の手術について、Aesthetic Societyの会員に調査が行われています。回答した外科医の51.9パーセントがフェイスリフトの難易度が上がると答えました。39.7パーセントは、術後合併症率を高めると考えていました。実際に何に遭遇したかという問いには、32.7パーセントが術後も触知または視認できるフィラーが残ったと報告しました。15.4パーセントは皮弁への血流障害を、9.6パーセントはリフト効果の持続が短かったことを報告しています。これらは個々の患者さんの確率ではなく、外科医が見たと報告している内容として読んでください。難治性のフィラーを扱う術者はもっと平たく言っています。線維化と肉芽腫性反応のせいで剥離が困難だ、と。

同じ顔面軟部組織の断面をふたつ並べた図。フィラー歴のない顔では術野の層が清潔に分かれているのに対し、何年もフィラーを入れてきた顔ではフィラーの沈着とその周囲の線維化が層の境界を横断して不明瞭にし、剥離を難しく、出血を多くしていることを示す。

これから1本目を入れようとしている患者さんには、こう伝えます。フィラーは、10年後に受けたくなるかもしれない手術にとって、無関係ではありません。

私が手術の前に溶かす理由

私はフィラーに直接ヒアルロニダーゼを注射し、手術の前に溶かします。溶かさずに来られた患者さんには、済ませてから来ていただくようお願いします。理由はふたつあり、どちらも美容上のものではありません。溶けた顔のほうが手術が易しく、溶けた顔のほうが手術が安全だからです。理由はそのまま上に書いたとおりです。

実際には、複数回に分けるのではなく、1回で十分量を入れます。多くの医師が使うのは1ミリリットルあたり150単位の濃度で、これが最も一般的な調製です。用量はフィラーの量と架橋の強さに合わせて調整します。ここで効くのは手順の丁寧さではなく用量です。架橋度の高いフィラーほど酵素に抵抗し、より多くを必要とし、用量の不足こそが患者さんが3回も4回も溶解を受けるはめになる理由です。分解そのものは速く、通常は1〜3日で完了します。目に見える腫れが引くには2週間ほどかかりますが、皮膚のより深い回復はそれより長くかかります。この差が、手術までの待機期間をそのまま決めます。

私は溶かした直後には手術しません。何年分もの製剤を抱えた顔では、3〜6か月待ちます。この数字は驚かれるので、早い段階で伝えるようにしています。酵素の仕事は数日で終わるので、待つのはフィラーが分解されるためではありません。もっと遅いふたつのことのためです。ひとつは腫れが引くこと。まだ動いている顔ではリフトの設計ができません。もうひとつは皮膚そのものの回復です。ヒアルロニダーゼは、フィラーと一緒に皮膚自身のヒアルロン酸も一時的に奪います。そうして枯渇した組織は、再構築の時間を置いてからのほうが予測どおりに落ち着き、治っていきます。1か所から少量を溶かしただけなら、数週間で足りることもあります。ただ、何年分もの製剤を抱えた顔には数か月必要です。この期間を急げば、まだ変化し終えていない皮膚の上にリフトを設計することになります。

フィラーの入った顔をそのままリフトしない理由

患者さんが直感に反すると感じるのがこの部分で、順序が交渉の余地を持たない理由でもあります。

フィラーを抱えたままの顔をリフトすれば、私は下から突っ張られている顔を引き上げていることになります。皮膚はそのボリュームの上に張られているので、本来の余り具合まで余っていません。その日に余って見えるだけの量の皮膚を切除し、閉創し、結果はよく見えます。ところが数か月、数年のうちに、フィラーはいずれフィラーがすることをします。皮膚を押し上げていたボリュームが引いていくのです。残された皮膚には行き場がありません。またたるみます。

私はリフト量を過小にしていたことになり、しかも手術室ではそれに気づけません。

顔は、皮膚の余りが最大のときに引き上げなければなりません。そして余りが最大になるのは、フィラーがなくなったあとです。理屈はこれだけです。調査に答えた外科医たちがフィラー既往の患者でリフトが長持ちしなかったと報告したのは、この失敗を反対側から見たものにすぎません。先に溶かすのは、その一人にならないための方法です。

溶かしてくぼんだら、手術中に自分の脂肪で埋めます

何年分ものフィラーを取り除けば、本当のボリューム不足が残ることは珍しくありません。溶かすことに対して患者さんが抱く不安は、まさにこれです。もっともな不安ですし、安心させる言葉ではなく本当の答えを返すべきものです。

私の答えは、リフトの最中に、製剤ではなく患者さん自身から採った脂肪でボリュームを補うことです。構造を元の位置に戻し、皮膚を掛け直し、フィラーがなくなったあとに本当に足りていない部分へ脂肪を置きます。脂肪はフィラーとは違うふるまいをし、同じ蓄積の問題を抱えず、生着した分は補充が要るゲルではなく生きた組織として残ります。どれだけ生着するのかは曖昧にできない問いで、答えもあります。移植した脂肪はどれだけ残るのかで詳しく書きました。

2段構成の図。上段はフィラーが残ったままフェイスリフトを行った場合で、皮膚が下から突っ張られているため切除量が足りず、フィラーが引いたあとに再びたるむ様子を示す。下段は正しい順序で、先にフィラーを溶かし、皮膚の余りが最大になった時点でリフトし、患者さん自身の脂肪でボリュームを回復させる流れを示す。

つまり順序はこうです。溶かす。その後の数か月で顔を落ち着かせ、皮膚を回復させる。それから同じ手術の中でリフトし、自分の組織で補います。

自分はどのケースに当てはまるか

タイプ分けの前に、それを振り分ける問いから。しぼんでいて皮膚が締まっている顔は、ボリュームの問題を抱えていて、フィラーは正しい道具です。重く、横に広く、動くとぼやける顔は、抱えきれない量の製剤を持っていて、答えは取り出すことです。下りてきている顔は、どんな注射器も届かない構造の問題を抱えていて、答えはフィラーを取り出してから、その下にあるものを引き上げることです。

問題と治療を対応させた判断チャート。しぼんでいて皮膚が締まった顔には慎重なフィラー、重く輪郭のぼやけたフィラー過剰の顔には溶解、たるんでフェイスラインが崩れた顔には溶解に続くフェイスリフトを示す。

1. 顔がしぼんでいて、皮膚はまだ締まっていて、30代

ボリュームの喪失は実在しますし、フィラーはそれに対して本当によい道具です。そこを否定するつもりはありません。言っているのは、すでに何がどれだけ入っているかを把握すること、前回分が消えたと決めつけないこと、1本ごとに白紙の顔に打っているつもりをやめること、この3つです。

2. フィラーの見え方がよかったのに悪くなったので、追加した

何が変わったのかをよく見てください。形がぼやけて顔が横に広がったなら、それは蓄積です。くぼみと影が戻ってきて、埋めても効いている期間がどんどん短くなっているなら、追いつけない道具で下垂を追いかけています。手術に行き着くのは後者で、早く気づくほど、先に取り除く製剤が少なくて済みます。

3. 笑ったときに特に、顔が重く、横に広く、どこか自分らしくない

これが顔面フィラー過剰症候群、日本で「ヒアル顔」と呼ばれている状態です。好みの問題ではありません。顔のどこかが、収まりきらない量を、収まりきらない区画に抱え込み、顔の動き方まで制限しています。溶解が出発点です。それが終点かどうかは、下に何があるか次第です。

4. 老けて見えるのが怖くて溶かせない

老けて見えます。一時的にも、そのあと恒久的にも。だから先に言っておきます。ただし、実際の年齢より老けることはありません。ここでの恐怖はもっともですし、同時に、フィラーを入れ続ける理由としては間違っています。先延ばしにした年数だけ、いずれ誰かが取り除く製剤が増えるからです。しかも顔はその間も下がり続けています。ここにひとつ、救いになる話があります。ボリュームは、リフトの最中に自分の脂肪で戻せます。真実は選べません。くぼみのほうは選べます。

5. すでに何度も溶かしていて、皮膚の状態に不満がある

もう一度溶かす前に慎重になってください。ヒアルロニダーゼは選択的ではないので、1回ごとにフィラーと一緒に、ご自身のヒアルロン酸も分解します。繰り返すほど、目の周りのくぼみ、小じわの悪化、皮膚の質の低下と結びついてきます。誰も十分量を出さなかったせいで4回溶かされることは、1回きちんと溶かされることより組織にとって悪いことです。

6. 問題はボリュームではなく、重さとフェイスラインの崩れ

それなら、もともとフィラーの患者さんではなかったのです。下垂は外科的な問題です。ディーププレーン・フェイスリフトとSMAS(表在性筋膜)リフトの違いや、引っ張りすぎたフェイスリフトがどう見えるかのガイドを読んでください。注射器についての次のカウンセリングより、その手術が実際に何をするのかがよく分かります。

溶かすと実際どうなるのか、そのあとの2週間

溶解後の回復は、身体的にはごく軽いものです。そのかわり、一連の過程の中で感情的には最もつらい時期になります。このふたつが釣り合わないことを見込んでおいてください。

身体的には注射の予約1回分です。酵素が入るときにしみて、そのあと腫れと、しばしば内出血が出ます。内出血は患者さんの予想より強く、唇と目の下では目立つことがあります。腫れは1〜2日でピークになり、1週間でおおむね引き、組織が本当の安静時の形になるのは2週間ごろです。

感情面の難しさは遅れてやってきます。最初の数日は腫れがまだ顔を張り出させているので、見た目は許容できます。それから腫れが引き、下にあるものが現れる。しかも一度に現れます。ほぼ全員がこの瞬間をつらいと感じます。ただ、同時にほぼ全員が、視界の晴れる瞬間だとも受け取ります。何年ぶりかで自分の顔を正確に見た瞬間だからです。

そこからふたつのことが導かれます。回復そのものより、こちらのほうが大事です。ひとつ、最初の1週間で判断を下さないこと。顔がまだ動いていて、実際より悪く見えるからです。もうひとつ、反射的に入れ直さないこと。これが最も多い反応で、フィラーが溜まっていく循環の、振り出しに戻る行動です。正確な顔をカウンセリングに持っていってください。手術計画を立てられる顔は、それだけです。

リフトが続くなら、意味のある回復は酵素からの回復ではなく、リフトからの回復です。

執刀医の視点:フィラーが隠していたのは時計です

患者さんは、10年間顔をメンテナンスしてきたと話されます。実際にしてきたのは、たいていの場合、判断の先送りです。先送りした年数のぶんだけ、あとで払うものは重くなります。影を消すためにフィラーが入る。影が戻り、またフィラーが入る。引き上げは一度もされないまま、私が会うころには下垂と、製剤でいっぱいの顔が同時にできあがっています。その製剤が、下垂を治すための手術を、必要以上に難しく、出血を多く、予測しにくいものにしています。

私はフィラーに反対ではありません。診断の代わりに使われるフィラーに反対なのです。何を入れるかを尋ねる前に、ご自身の顔が実際に何をしているのかを尋ねてください。答えがボリュームの喪失なら、慎重に、入れた量を数えながら入れればいいのです。答えが下がってきているなら、世界中のどの注射器もそれを支えません。それを自分で確かめるのに費やす1年は、いずれ誰かが溶かすことになる製剤の1年です。

安全性:溶解にも代償があります

ヒアルロニダーゼは有効ですし、フィラー合併症の中で最も恐れられている血管閉塞に対する正しい治療でもあり、顔を救っています。それでも、副作用なしに何でも消せる手段ではありません。単純な「取り消しボタン」のように売られていること自体が、正しておくべきふたつ目の誤解です。

ヒアルロニダーゼは選択的ではありません。ヒアルロン酸を分解しますが、ご自身の組織もフィラーとは無関係のヒアルロン酸で満ちています。酵素は両者を区別できず、製剤と一緒に内因性のヒアルロン酸も分解します。積極的あるいは反復的な使用で報告されている影響には、目の周りのくぼみ、小じわの悪化、皮膚の質の低下があり、文献ではポストヒアルロニダーゼ症候群と呼ばれています。アレルギー反応は頻度こそ低いものの実在し、公表されたガイドラインが存在するのは、まさに気軽な投与が誤りだからです。

ここから実際的な結論が出ます。溶解は、その先に何が起きるかの計画を持って、意図的に行うべきです。繰り返し及び腰に行うのではなく、理想的には1回で十分に。誰も用量を決め切らなかったせいで4回溶かされた患者さんは、何を取り除くのかとその理由を分かっている術者に1回で溶かされた患者さんより、悪い状態にいます。

ヒアルロニダーゼが手を出せないものもあります。この酵素が作用するのはヒアルロン酸だけです。永久あるいは半永久のフィラーを入れているなら、酵素は何もしませんし、除去は外科的な問題、ときにはフェイスリフトそのものの最中にフィラーを切除する作業になります。

何を入れるかではなく、顔が何をしているかを問う

フィラーはボリュームの道具です。よい道具です。リフトではありませんし、聞かされたようには可逆的ではありませんし、パンフレットに書かれた予定どおりに消えもしません。

顔がしぼんでいて皮膚が持ちこたえているなら、フィラーは妥当な答えで、求められる規律はすでに入っている量を数えることだけです。

顔が重く、ぼやけ、笑うと動きが制限され、あるいは単に自分のものに感じられないなら、フィラーは足すものではなく、取り除くものです。

その下が下がってきているなら、溶解は答えではなく第一歩です。皮膚が本当のことを言っている時点で、顔を引き上げてください。同じ手術の中で、自分の組織でボリュームを戻します。もともとボリュームの問題ではなかったものに、シリンジを1本ずつ足し続けるのはやめてください。

診断的な問いは短いものです。私の顔はボリュームを失っているのか、それとも下がってきているのか。 戻せるものと戻せないものを、ここで分けておいてください。過ぎた時間も、フィラーが隠していた老化も、溶かすだけでは戻りません。下がってきた組織を本当に戻せるのは、手術だけです。

執筆:イ・ヨンウ医師、韓国VIP美容外科の形成外科専門医。顔面解剖と美容外科手術を専門とする。

ヒアルロン酸の入れすぎと溶解についてよくある質問

ヒアルロン酸フィラーは実際どのくらい持ちますか?

売り文句の6〜12か月よりはるかに長く残ります。中顔面のMRI研究をまとめたレビューでは、撮影されたすべての患者でヒアルロン酸が検出されました。2年の観察期間内に完全消失した例はありません。一部の患者では、注入から8年から15年経ってもまだ見えていました。薄れるのは見た目の効果であって物質ではありません。前回分が消えた前提で追加を重ねる顔にフィラーが溜まっていくのは、このためです。

顔面フィラー過剰症候群とは何ですか?

組織が抱えられる以上のフィラーを入れられた顔のことで、重く、横に広く、輪郭のぼやけた見た目になり、動いたときに最も悪く見えることが多い状態です。3つの機序が働いています。抱えきれない区画に置かれたボリューム、表情筋の動きの制限と皮膚の袋の伸展、そして過去の施術すべての積荷の蓄積です。好みの問題でも、1回の失敗注射でもありません。

フィラーを溶かせば以前の顔に戻りますか?

戻りません。これが最も正しておくべき期待です。溶解はフィラーを取り除きますが、時間を巻き戻しはしません。下から現れる顔は、記憶している顔より年をとっていて、たいてい緩んでいます。年月が経ったからでもあり、フィラーで張り出されていた皮膚が必ずしも戻らないからでもあります。溶解が与えてくれるのは、計画の土台にできる正確な顔です。

ヒアルロニダーゼは自分の組織を傷めますか?

傷めることがあります。選択的ではないからです。ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸を分解しますが、皮膚にはフィラーと無関係の自前のヒアルロン酸があります。積極的あるいは反復的な使用は、目の周りのくぼみ、小じわの悪化、皮膚の質の低下と関連づけられており、ポストヒアルロニダーゼ症候群と呼ばれています。繰り返し及び腰に溶かすのではなく、1回で意図的に十分量を入れるべき理由がここにあります。

フィラーを溶かしてからどのくらいでフェイスリフトを受けられますか?

フィラーの多い顔なら3〜6か月です。フィラーは1〜3日で分解されるので、待つのは酵素のためではありません。腫れが引いて顔が本当の安静時の形になるため、そしてヒアルロニダーゼがフィラーと一緒に奪った皮膚のヒアルロン酸を、皮膚が再構築するためです。枯渇した皮膚は治り方も落ち着き方も読みにくくなります。1か所から少量を溶かしただけなら、数週間で足りることもあります。ただ、何年分もの製剤を抱えた顔には数か月必要です。それより早く手術すれば、変化し終えていない皮膚の上にリフトを設計することになります。

フェイスリフトの前にフィラーを溶かす必要がありますか?

まとまった量のフィラー歴があるなら、必要です。私からもお願いします。溶かすほうが手術は易しく、安全になります。フィラーとその周囲の線維化が術野の層を不明瞭にし、出血を増やして血腫のリスクを上げ、組織損傷を起こしやすくするからです。Aesthetic Society会員への調査では、顔全体のフィラー歴がフェイスリフトの難易度を上げると51.9パーセントが答えています。

フィラーが入ったままリフトしてはいけないのはなぜですか?

誰も気づかないまま、リフト量が足りない結果になるからです。フィラーは皮膚を下から押し上げているので、手術当日に余って見える皮膚が少なくなり、切除量も少なくなります。やがてフィラーが引くと、張り出されていた皮膚には行き場がなく、またたるみます。顔は皮膚の余りが最大のときに引き上げなければなりません。余りが最大になるのは、フィラーがなくなったあとです。同じ調査の外科医たちは、フィラー歴のある患者でリフト効果の持続が短かったと報告しており、まさにこの失敗を別の角度から述べています。

フィラーを溶かしたらくぼんだままになりますか?

そうなることはありますし、心配して当然です。私の答えは、追加の製剤ではなく、リフトそのものの中で自分の体から採った脂肪を移植してボリュームを補うことです。生着した脂肪は生きた組織として残り、繰り返すフィラーが抱える蓄積の問題を持ちません。

フィラーがあるとフェイスリフトは危険になりますか?

難しくなります。難しさとリスクは地続きです。フィラーは術野の層の中に出てきて、周囲の組織は線維化し、剥離は難しく、出血は多く、血腫のリスクは上がります。調査対象の外科医の40パーセント近くがフィラー歴は術後合併症率を高めると考えており、15.4パーセントは皮弁への血流障害に遭遇したと報告しています。これらは外科医が報告した内容であって、個々の患者さんの確率ではありません。

顔のどこのフィラーでも溶かせますか?

ヒアルロン酸フィラーなら、唇、頬、涙袋の下のくぼみ、フェイスラインを含め、どこにあっても溶かせます。最も多く溶解されるのは目の下で、同時に、そもそもフィラーが間違った道具だったことが最も多い部位でもあります。この点は目の下の手術と涙袋下フィラーの比較のガイドで扱っています。溶かせないのは永久あるいは半永久のフィラーで、ヒアルロニダーゼはまったく作用しません。除去は酵素ではなく手術の問題になるので、自分に何を注入されたのかを正確に知っているかどうかが、そのまま結果を左右します。

顔が以前より広く、重く見えるのはなぜですか?

多くの場合、フィラーが置かれた区画を越えて広がり、顔のメリハリをつくっている境界をぼやけさせていること、そして誰も勘定に入れていなかった量が蓄積していることが原因です。もうひとつの可能性は、下がってきている組織の埋め合わせにフィラーが使われている場合で、そのときは顔は一度も引き上がらないまま重くなり続けます。その重さは、本当の診断を避けたことの代金です。

脂肪注入はフィラーより優れていますか?

問題が合っていれば、時間が経ったあとのふるまいは脂肪のほうが優れています。生着した脂肪は、補充が要るゲルではなく生きた組織だからです。ただ、手間はかかります。予約1回ではなく手術が必要ですし、生着率は宣伝文句ではなく、条件で変わる本物の数値です。フィラーの万能な代替ではありませんが、リフトの中でボリュームを回復させる顔にとっては、より誠実な選択です。

何年もフィラーを続けていて満足しています。心配すべきですか?

必ずしも心配する必要はありませんが、自分の顔に何が入っているかを把握し、施術ごとにリセットされるという思い込みはやめてください。どこにどれだけ注入されたかの記録を求めましょう。皮膚がまだ持ちこたえていて、顔がぼやけたり重くなったりしていないなら、フィラーがうまく働いている患者さんです。数え続けるだけで大丈夫です。

次のシリンジの前に聞くべき唯一の質問は?

私の顔はボリュームを失っているのか、それとも下がってきているのか。フィラーは前者にはよく答え、後者にはまったく答えられません。フィラー過剰の顔のほとんどは、この問いが一度も問われなかった結果です。

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この記事は情報提供を目的としたもので、医学的な診断や助言に代わるものではありません。手術および施術の判断は、必ず資格のある医師にご相談のうえ行ってください。

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